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欧州株の配当で月3万円は元手いくら必要か|税引き後で計算【2026年】

欧州株の配当で月3万円は元手いくら必要か|税引き後で計算【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 「配当で月3万円」に必要な元手は、現地源泉税を引いた税引き後利回りで計算すると、表面利回りの見た目より大きくなります
  • 同じ表面5%でも、フランス株なら約1,004万円、スイス株なら約1,390万円。源泉税率の違いだけで必要元手が約390万円変わります
  • 実は日本株のほうが手取りは多い(表面5%なら税引き後3.98%・約904万円)というのが正直なところです
  • そして配当は毎月ではなく、年1回・春に集中して入ります。「毎月3万円」のイメージとは形が違います

「配当金で月3万円」は、投資系の記事でよく見かけるテーマです。ただし米国株ブログの計算をそのまま欧州株に当てはめると、実際の手取りとはズレが生じます。欧州株の配当には、日本の20.315%に加えて現地の源泉税がかかるからです。フランスは10%、ドイツは26.375%、スイスは35%、スペインは19%。この差を無視して「表面利回り5%だからこの金額」と計算すると、必要な元手を大きく見誤ります。

この記事では、現地源泉税を引いた実額で「月3万円」に必要な元手を国別に計算し直します。あわせて、日本株との比較、手数料の負担、そして配当が実際にどのタイミングで入ってくるかまで、正直に書きます。

目次

計算の前提:税引き後利回りは「表面×(1−現地源泉税率)×(1−0.20315)」

欧州株の配当は、まず現地の源泉税が差し引かれ、残った金額に日本側の税(所得税15.315%+住民税5%=合計20.315%)がかかります。二段階で引かれるため、計算式は次のようになります。

  • 税引き後利回り = 表面利回り ×(1−現地源泉税率)×(1−0.20315)
  • 必要元手 = 年間必要額 ÷ 税引き後利回り
  • 「月3万円」は年間に直すと36万円です

日本側の20.315%は、外国税額控除の対象になり得ますが、控除には確定申告の手続きが必要で、限度額を超える分は戻りません。確定申告と外国税額控除の記事で詳しく書いていますが、この記事のシミュレーションでは「申告をしない場合の実額」として、二段階で引かれた後の利回りをそのまま使います。

表面利回り別・「月3万円」に必要な元手(4か国比較)

上の計算式で、表面利回り3.00%〜6.00%のケースごとに、税引き後利回りと必要元手を国別に出したのが次の表です。現地源泉税はフランス10%・ドイツ26.375%・スイス35%・スペイン19%で計算しています(イギリス・イタリア・デンマークは当サイトで税率を確定できていないため、この表には入れていません)。

表面利回り仏(10%)
税引き後/必要元手
独(26.375%)
税引き後/必要元手
瑞(35%)
税引き後/必要元手
西(19%)
税引き後/必要元手
3.00%2.15% / 約1,673万円1.76% / 約2,045万円1.55% / 約2,317万円1.94% / 約1,859万円
4.00%2.87% / 約1,255万円2.35% / 約1,534万円2.07% / 約1,738万円2.58% / 約1,394万円
5.00%3.59% / 約1,004万円2.93% / 約1,227万円2.59% / 約1,390万円3.23% / 約1,116万円
6.00%4.30% / 約837万円3.52% / 約1,023万円3.11% / 約1,158万円3.87% / 約930万円
税引き後利回り=表面利回り×(1−現地源泉税率)×(1−0.20315)で算出。必要元手=年36万円÷税引き後利回り

この表でいちばん見てほしいのは、同じ表面利回り5%でも、フランス株なら約1,004万円、スイス株なら約1,390万円と、必要元手に約390万円もの差が出ることです。企業の配当方針が同じでも、上場している国が違うだけで手取りが変わる。これはスイスの源泉税35%が効いているためで、株の魅力とは別に、税制だけで必要な元手が2〜4割変わることを表しています。フランス株が税引き後で相対的に有利に見えるのも、同じ理由です。

日本株と比べると:実は日本株のほうが手取りは多い

ここで正直に書いておきたいことがあります。日本株の配当には現地源泉税がかからず、日本の20.315%だけで済みます。表面利回り5.00%の場合、税引き後利回りは3.98%、月3万円に必要な元手は約904万円です。フランス株の約1,004万円より少なく、スイス株の約1,390万円と比べると差は歴然です。

同じ表面利回りなら、日本株のほうが手取りは多い。これが計算上の事実です。欧州株を選ぶ理由を「利回りの高さ」に求めるなら、この事実と向き合う必要があります。当サイトが欧州株を扱っているのは、利回りだけが理由ではなく、投資先の通貨・地域・企業の中身を分散させる意味があると考えているからです。利回りの高さそのものを目的にするなら、まず日本株や米国株を比較対象に置くのが筋だと思います。

手数料の壁:少額分散だと配当1年分が手数料で消える

元手が用意できても、もう一つ見落とされがちなのが手数料です。サクソバンク証券クラシックプランの最低手数料は、ロンドン3.30ポンド、フランクフルト3.30ユーロ、パリ2.20ユーロ、ミラノ・マドリード・スイスは5.50ユーロ相当です。取引のたびに約定金額の一定率とこの最低手数料の、どちらか高いほうがかかります。

問題は、約定金額が小さいほど最低手数料の負担率が跳ね上がることです。たとえば約定金額3万円で手数料が約700円かかったとすると、負担率は2.3%。分散を優先して1銘柄あたり数万円ずつ買い進めると、この負担率がそのまま利回りを削ります。

さらに極端な例で見ると、表面利回り5%・約定金額10万円の場合、年間の配当額は5,000円です。ここに手数料700円がかかると、手数料だけで初年度の配当の14%が消える計算になります。1銘柄あたり10万円以上のまとまった単位で買わないと、配当の1年分が手数料で消えかねません。「月3万円」を目指すシミュレーションの元手は、少数の銘柄にまとまった金額を投じる前提でないと、手数料に食われて絵に描いた餅になります。

配当は毎月ではなく、春に集中する

「月3万円」という言葉から、毎月同じ額が振り込まれるイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし当サイトが掲載銘柄の権利落ち履歴を実測したところ、実態はかなり違います。

配当の支払い回数は年1回払いが119社で最多です。ドイツ・スイス企業の平均支払い回数は1.00回、つまりほぼ全社が年1回払いでした。米国株のような四半期配当は欧州では主流ではありません。さらに権利落ち日を月別に見ると、4月51社・5月66社・6月35社と、株主総会シーズンにあたる春に集中しています。

つまり、この記事の元手を用意しても、実際に受け取る形は「毎月3万円」ではなく、「年36万円が、春を中心とした数か月にまとまって入る」という形になります。複数国・複数銘柄に分散すれば入金月はある程度ばらけますが、それでも一年を通して均等になるわけではありません。この点を誤解したまま元手を計算すると、実際の入金タイミングとイメージがずれてしまいます。

減配・無配のリスクも、同じ熱量で見ておく

ここまでの元手は、いずれも「表面利回りが今の水準のまま続く」ことを前提にした計算です。しかし配当は企業の業績次第で減ることも、なくなることもあります。当サイトが実測した範囲でも、テイラー・ウィンピーは約74%の減配を、ダネルムは特別配当が混じって表面利回りが跳ね上がって見えたケースを確認しています。表面利回りだけを見て元手を計算すると、その利回りが翌年も続く保証はどこにもありません。

この記事の表は「今の利回りが続いた場合に必要な元手」を示したものであり、「この元手を用意すれば必ず月3万円もらえる」ことを保証するものではありません。減配・無配のリスクは、利回りの高さや必要元手の小ささと同じ重さで見ておく必要があると思います。

まとめ:元手は「税引き後」、入金は「春に集中」で考える

  • 「月3万円」に必要な元手は、現地源泉税を引いた税引き後利回りで計算する。表面利回りのままでは過小評価になる
  • 同じ表面5%でも、フランス株は約1,004万円、スイス株は約1,390万円。国による源泉税差が必要元手を大きく動かす
  • 日本株の表面5%なら税引き後3.98%・約904万円。手取りだけを比べるなら日本株のほうが有利
  • 手数料は1銘柄あたり10万円以上を目安にまとめて買わないと、配当の大部分が手数料で消える
  • 入金は毎月ではなく、年1回・春(4〜6月)に集中する
  • 減配・無配のリスクは、利回りの高さと同じ重さで見ておく

「配当で月3万円」という目標は、税引き後の実額で計算し直すと、思っていたより多めの元手が必要になります。それでも数字で見える化しておけば、どの国の銘柄をどれくらいの単位で買うかを、自分の言葉で判断できるようになると思います。

この記事の検証方法

  • 税引き後利回り・必要元手の表は、税引き後利回り=表面利回り×(1−現地源泉税率)×(1−0.20315)必要元手=年36万円÷税引き後利回りの計算式にもとづき、当サイトで算出したものです
  • 現地源泉税率(フランス10%・ドイツ26.375%・スイス35%・スペイン19%)は、当サイトが各国の税制をもとに確定している値を使用しています
  • サクソバンク証券の手数料は公式手数料表から算出しています
  • 配当の支払い回数・権利落ち月の集計は、当サイト掲載銘柄の権利落ち履歴を実測したものです(2026年8月28日時点)
  • 減配・特別配当の事例(テイラー・ウィンピー、ダネルム)は、当サイトが個別記事で確認した実測値です

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の税率・手数料・シミュレーション結果は本文記載の各時点で確認した情報にもとづく試算であり、実際の利回りや税額を保証するものではありません。配当は企業の業績により減配・無配となる場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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