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この記事の結論
- 2026年9月3日時点で、今回実測した264銘柄のうち、再エネ・環境に直接ひも付く銘柄は5社だけでした
- 理由の一つは、再エネがすでに電力会社の事業の一部になっていることです。公益は22社あり、そのなかに再エネを手がける会社が含まれます。「再エネ専業」の上場企業は多くありません
- 5社の利回りは両極端でした。電力・環境サービス側(A2A・ヴェオリア)は4%台、機器メーカー側(ハルマ・ヴェスタス)は1%未満です
- 「欧州の再エネに投資する」と考えたとき、純粋な再エネ銘柄を探すより、公益株のなかで再エネを手がける会社を見るほうが選択肢が広いというのが、今回数えて分かったことです
「欧州は再エネの先進地域」というイメージを持っている方は多いと思います。洋上風力の設置容量や再エネ比率の統計を見れば、そのイメージ自体は間違っていません。ただ、それは国や地域全体の話であって、「では株式市場で再エネに投資できる銘柄がどれだけあるか」は、また別の話です。
当サイトでは以前、再エネ関連株の顔ぶれを発電・機器メーカー・送電網の3つの層で整理した記事を書きました。今回はその続きとして、実際に今回実測した264銘柄のなかに、再エネ・環境に直接ひも付く銘柄がどれだけあるかを数えてみました。結果は、正直に言って自分でも意外なほど少ない数でした。
数えてみたら5社だけだった
今回実測した264銘柄のうち、事業内容が再エネ発電や環境サービスに直接ひも付く銘柄を数えると、5社でした。内訳は、電力・環境サービス系がA2A(伊)とヴェオリア(仏)、機器メーカー系がハルマ(英)とヴェスタス(丁)、そして洋上風力のオーステッド(丁)です。
| 会社 | 国 | 配当利回り | PER | 事業 |
|---|---|---|---|---|
| A2A | イタリア | 4.64% | 10.23倍 | 電力・環境サービス |
| ヴェオリア | フランス | 4.40% | 18.84倍 | 水・廃棄物処理 |
| ハルマ | イギリス | 0.69% | 36.35倍 | 安全・環境機器 |
| ヴェスタス | デンマーク | 0.35% | 26.14倍 | 風力発電機 |
| オーステッド | デンマーク | 無配 | — | 電力(洋上風力) |
264社のなかの5社ですから、割合にすると2%に届きません。「欧州=再エネ先進地域」というイメージから想像していた数字より、かなり少ないというのが正直な感想です。
なぜ少ないのか——公益株のなかに隠れている
5社しかない理由の一つは、再エネの発電事業が、すでに既存の電力会社の事業の一部になっていることだと思います。業種別に実測した別記事では、公益は22社ありました。この22社のなかには、火力や原子力と並行して再エネの発電設備を持つ会社が含まれています。つまり、事業のポートフォリオの一部として再エネを手がけている会社は複数あるのですが、事業の中心が再エネそのものだと言える「専業」の上場企業は、数えるほどしかないということです。
これは欧州の電力業界の成り立ちを考えると自然なことだと思います。もともと地域の電力供給を担っていた会社が、発電源の一つとして再エネの比率を高めてきた、という流れが多いのでしょう。新規に再エネ専業で上場する会社が少なかった、あるいは上場前に買収された、といった事情も考えられますが、そこまでは今回の集計では確認していません。
利回りは両極端——電力・環境サービス側と機器メーカー側
5社の表を見ると、配当利回りが2つのグループにはっきり分かれていることが分かります。電力・環境サービスを手がけるA2A(4.64%)とヴェオリア(4.40%)は4%台の高配当です。一方、機器を作って売るハルマ(0.69%)とヴェスタス(0.35%)は1%を下回っています。
これは業種の性格の違いとして自然な結果だと思います。電力・環境サービスは規制のもとで安定した収益を出しやすく、公益株らしく配当を厚くする傾向があります。一方でヴェスタスのような風力発電機メーカーは、機械を作って売る商売という点で、当サイトが実測した産業機械株の性格に近く、配当より事業成長を優先する会社が多い業種です。PERもヴェスタス26.14倍、ハルマ36.35倍と、A2Aの10.23倍・ヴェオリアの18.84倍より高く出ています。
オーステッドは無配——今回の集計で確認できたこと
洋上風力を手がけるオーステッドは、今回の実測時点で無配でした。当サイトが以前実測した連続増配の記事では、オーステッドは4年連続増配に入っている銘柄として登場していました。ところが今回の集計では、2025年の権利落ちを確認できませんでした。
無配に変わった理由については、当サイトで確認できていません。憶測で理由を書くことは避け、この記事では「今回の実測時点で無配だった」という事実の提示にとどめます。オーステッドを含めて特定の銘柄の投資判断をお勧めするものではありません。
まとめ:再エネ株を探すなら、公益株のなかを見る
- 今回実測した264銘柄のうち、再エネ・環境に直接ひも付く銘柄は5社だった
- 理由の一つは、再エネがすでに既存の電力会社の事業の一部になっていること。公益22社のなかに再エネを手がける会社が含まれ、「専業」の上場企業は少ない
- 利回りは電力・環境サービス側が4%台、機器メーカー側が1%未満と両極端だった
- オーステッドは今回の実測時点で無配。理由は確認できておらず、事実の提示にとどめる
「欧州の再エネに投資する」という言葉から想像していたより、対象になる銘柄は狭いというのが、今回数えて分かったことです。純粋な再エネ専業銘柄を探すよりも、公益株のなかで再エネを手がけている会社を見るほうが、選択肢は広いと思います。
この記事の検証方法
- 調査日は2026年9月3日です。今回実測した264銘柄のなかから、事業内容が再エネ発電・環境サービスに直接ひも付く銘柄を数え、5社という結果になりました
- 5社の配当利回り・PERは、2026年9月3日時点で株価データサイトから取得した数値です
- 公益22社という数値は、業種別に実測した別記事の集計によるもので、この記事単独の集計ではありません
- オーステッドについては、連続増配を実測した別記事では4年連続増配に入っている銘柄として集計されていましたが、今回の集計では2025年の権利落ちが確認できませんでした。無配に変わった理由は当サイトで確認しておらず、事実の提示にとどめています
- この記事の数値は当サイトが取り上げた銘柄に限った集計であり、欧州の再エネ・環境関連企業全体を代表するものではありません
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事に登場する銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の配当利回り・PERは2026年9月3日時点で取得した情報にもとづいており、市場の変動により変更される場合があります。特定の銘柄が割安・割高であることを示すものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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