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欧州株のコストを全部足すといくらか|手数料と税金を1年で試算した【2026年】

欧州株のコストを全部足すといくらか|手数料と税金を1年で試算した【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 10万円分を1銘柄買い、配当利回り3%を受け取って1年後に売った場合、手数料と税金を合わせた負担は投資額の約1.67%〜3.63%になります(当サイトの試算)
  • 最も軽いのはフランス(約1.67%)、最も重いのはスイス(約3.63%)で、2.2倍の差があります
  • 短期で売買するなら手数料の差が効き、長く持つほど税率の差が効いてきます
  • この試算には為替の両替コストを含めていません。実際の負担はここで示す数字より大きくなると考えられます

当サイトには、証券会社の手数料を比較した手数料の記事と、国ごとの配当課税を比較した配当税の記事が別々にあります。ただ、実際に投資をするときに知りたいのは「結局、1年でいくら引かれるのか」という合計額だと思います。手数料だけ見ても、税金だけ見ても、本当のコストの半分しか見えていません。

そこで今回は、手数料と配当課税を足し合わせて、1年間でどれくらいのコストがかかるのかを試算してみました。結論を先に言うと、手数料が安い国と税金が軽い国は、必ずしも一致しません。この記事では、その中身を数字で見ていきます。

目次

試算の前提:10万円・利回り3%・1年保有で計算しました

試算の条件をそろえるため、次のような単純な想定を置きました。

  • 10万円分を1銘柄買い、1年間保有し、配当利回り3%を受け取ってから売却する
  • 手数料手数料の記事で実測した、サクソバンク証券の取引所別・10万円あたりの片道負担率を、買いと売りの往復2回分にして計算
  • 配当課税配当税の記事の数字(現地源泉税+日本の20.315%)を使用
  • いずれも外国税額控除を確定申告で使わない前提の数字です

この試算には含めていない要素が2つあります。ひとつは為替の両替コストです。円からユーロ・スイスフランへの両替には別途コストがかかりますが、当サイトではその公式な数値を確認できていないため、今回の試算には含めていません。実際の負担はここで示す数字より大きくなると考えておいてください。もうひとつはイギリス・イタリア・スペイン・デンマークの配当課税です。これらの国については当サイトでまだ確認できていないため、試算の対象外としています。詳しくは記事の後半でもう一度触れます。

また、この記事は一般的な仕組みの説明であり、税務アドバイスではありません。個別の申告の方法や、ご自身の状況にどう当てはまるかについては、税理士や税務署にご確認ください。

1年でいくら引かれるか:フランス1.67%、ドイツ2.46%、スイス3.63%

前提をもとに、フランス・ドイツ・スイスの3か国で試算した結果が次の表です。

往復手数料配当から引かれる税合計投資額に対して
フランス820円(片道0.41%)約849円(条約限度10%+日本20.315%)約1,669円約1.67%
ドイツ1,220円(片道0.61%)約1,240円(現地26.375%+日本20.315%)約2,460円約2.46%
スイス2,180円(片道1.09%)約1,446円(現地35%+日本20.315%)約3,626円約3.63%
10万円・配当利回り3%・1年保有・外国税額控除を申告しない前提で試算

フランスとスイスを比べると、合計コストで2.2倍の差があります。配当3,000円のうち、フランスなら約2,151円が手取りとして残るのに対し、スイスは約1,554円しか残りません。同じ「配当利回り3%」という数字でも、どの国の株を買うかによって、手元に残る金額はこれだけ変わってきます。

なぜ差がつくのか——両方に効く国と、片方だけの国

「手数料が安い国と税金が軽い国は一致しない」と思われがちですが、今回の試算ではフランスは手数料・税金の両方で有利という結果になりました。片道0.41%という手数料は手数料の記事で調べた取引所の中でも最も低い水準で、条約限度税率10%も欧州の中では軽い部類に入ります。

反対にスイスは手数料・税金の両方で不利です。片道1.09%という手数料の高さに加え、現地源泉税35%という欧州でも重い税率が重なります。スイスの優良企業に投資したいと考える方は多いと思いますが、このコストを承知したうえでの選択になるというのが、今回の試算から言えることだと思います。

ドイツはその中間で、手数料・税金ともにフランスとスイスの間に位置します。3か国を並べてみると、手数料の高さと税率の高さが同じ順番で並んでいるのが、今回の試算のポイントです。

5年持つとどう変わるか——差が縮まり、税率が主役になる

次に、同じ銘柄を5年間保有した場合を試算しました。手数料は買いと売りの往復で1回分、配当課税は毎年発生するという前提です。

1年保有5年保有(手数料は1回・税は毎年)
フランス約1,669円約5,065円
ドイツ約2,460円約7,420円
スイス約3,626円約9,411円
10万円・配当利回り3%・外国税額控除を申告しない前提で試算

1年保有ではフランスとスイスの合計コストに2.2倍の差がありましたが、5年保有では約1.86倍まで差が縮まります。理由は単純で、手数料は最初の1回だけなのに対し、配当課税は保有している限り毎年発生するからです。保有期間が長くなるほど、コストの中で税金が占める割合が大きくなり、手数料の差は相対的に薄まっていきます

ここから言えるのは、短期で売買するなら手数料の安さで国を選び、長期で持つつもりなら税率の軽さで国を選ぶという考え方です。同じ「コストが安い国」でも、保有期間によって重視すべき要素は変わってくると思います。

この試算に含めていないもの・申告すれば戻る部分

最後に、この試算の限界について書いておきます。

まず、上の表は外国税額控除を確定申告で使わない前提の数字です。申告をすれば、条約限度税率までは取り戻せる可能性があります。たとえばドイツの場合、現地源泉税26.375%のうち、条約限度税率15%分は申告によって戻る可能性がありますが、残る約11.375%は戻りません。この仕組みの詳しい説明は確定申告と外国税額控除の記事にまとめています。繰り返しになりますが、これは一般的な仕組みの説明であり、個別の申告については税理士や税務署にご確認ください。

次に、為替の両替コストは今回の試算に含めていません。円からユーロやスイスフランへの両替には別途コストがかかると考えられますが、当サイトではその公式な数値をまだ確認できていません。実際に投資する際の負担は、この記事で示した数字よりも大きくなるはずです。この点は数値が確認でき次第、追って記事にしたいと思っています。

また、イギリス・イタリア・スペイン・デンマークの配当課税についても、当サイトでまだ確認できていないため、今回の試算には含めていません。この4か国の株を検討している方は、証券会社に直接確認することをおすすめします。

最後にもう一点、10万円未満の少額で買うと、手数料の負担率が跳ね上がることにも触れておきます。最低手数料が設定されているためで、詳しくは手数料の記事で扱っています。今回の試算はあくまで10万円という金額を前提にした一例だとご理解ください。

まとめ

  • 10万円・利回り3%・1年保有で試算すると、手数料と税金の合計は投資額の約1.67%〜3.63%
  • フランスが最も軽く、スイスが最も重い。今回の試算ではフランスは手数料・税金の両方で有利、スイスは両方で不利という結果になった
  • 短期なら手数料、長期なら税率で国を見るという考え方ができる
  • 為替の両替コスト、英・伊・西・丁の配当課税は今回の試算に含めていない。実際の負担はこの試算より大きくなると考えられる

コストは、リターンと違って、買う前から計算できる数少ない要素だと思います。将来株価がどう動くかは誰にも分かりませんが、いくら引かれるかは事前に見積もれます。この試算が、国や銘柄を選ぶときの一つの目安になればと思っています。

この記事の検証方法

  • 試算の前提は10万円分を1銘柄購入し、配当利回り3%を受け取って1年後に売却というものです
  • 手数料手数料の記事で実測したサクソバンク証券の取引所別・片道負担率を、往復2回分にして計算しました
  • 配当課税配当税の記事の数字(現地源泉税+日本の20.315%)を使い、外国税額控除を確定申告で使わない前提で計算しています
  • 為替の両替コストは含めていません。当サイトで公式の数値を確認できていないためで、実際の負担は試算より大きくなると考えられます
  • イギリス・イタリア・スペイン・デンマークの配当課税は当サイトで確認できていないため、試算の対象に含めていません
  • 5年保有の試算は、手数料は往復1回分のみ、配当課税は毎年発生するという前提で計算しています
  • 本記事は一般的な仕組みの説明であり、税務アドバイスではありません。個別の申告についてはご自身の状況に応じて税理士や税務署にご確認ください
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事で試算した国の個別株を保有しているとは限りません)

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものでも、税務上の助言を目的としたものでもありません。本記事は一般的な仕組みの説明であり、記載の手数料率・税率にもとづく試算は簡略化した一例です。実際に発生する手数料・税額は、証券会社・口座の種類・確定申告の有無・為替の両替コストなど、ご自身の状況により異なります。個別の税務の取扱いについては税理士や税務署にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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