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この記事の結論
- 実際に読む英語は、Revenue・Net income・Dividendなど定型の15語程度の繰り返しです
- 当サイトの経験では、本当につまずくのは英語力ではなく単位(ペンス表示・FY表記・billionと億の混同)でした
- 決算プレスリリースはブラウザの翻訳機能でおおむね読めます。ただし金額・日付は原文で確認します
- 「誰でも簡単」というより、確認の手順を持っておけば十分だと思います
「英語ができないから、海外株には手を出せない」。欧州株に限らず、海外の個別株を検討するとき、多くの方が最初にぶつかる理由がこれだと思います。もっともな心配です。決算資料もニュースも英語(企業によってはドイツ語やフランス語)で書かれていて、日本語の解説はほとんどありません。
当サイトも欧州の個別企業を毎回英語の資料で確認しながら記事を書いています。そのうえでの実感を先に書くと、投資で実際に読む英語は、思っているよりずっと限られたパターンの繰り返しです。そして、実際に数字を読み違える原因になったのは、英語力ではなく単位の違いでした。この記事では、その具体的な中身を紹介します。
実際に読む英語は、最低限の15語くらい
決算プレスリリースや企業サイトの投資家情報(IR)ページは、文章としては英語ですが、繰り返し出てくる単語はかなり限られています。数字を追うだけなら、次の15語がわかれば大部分は読めるというのが実感です。
| 英語 | 日本語 | 出てくる場所 |
|---|---|---|
| Revenue | 売上高 | 決算プレスリリースの冒頭 |
| Net income(Net profit) | 純利益 | 決算サマリー |
| Operating income | 営業利益 | 決算サマリー |
| EPS(Earnings per share) | 1株当たり利益 | 決算サマリー |
| Dividend | 配当 | 配当関連の見出し |
| Dividend yield | 配当利回り | データサイトの銘柄ページ |
| Ex-dividend date | 権利落ち日 | 配当スケジュール |
| Payment date | 支払日 | 配当スケジュール |
| Interim dividend | 中間配当 | 配当の内訳 |
| Final dividend | 期末配当 | 配当の内訳 |
| FY(Fiscal Year) | 会計年度 | 決算資料のタイトル |
| Guidance/Outlook | 業績見通し | 決算プレスリリースの後半 |
| Press release | プレスリリース | IRページの一覧 |
| Annual report | 年次報告書 | IRページの一覧 |
| Shares outstanding | 発行済株式数 | データサイトの企業概要 |
この15語さえ押さえておけば、決算プレスリリースの数字部分はかなりの割合で拾えます。文章として全文を精読する必要はなく、数字の前後にどの単語が来ているかを機械的に確認するだけで足りる、というのが実際に記事を書いてきた実感です。数字と表は、そもそも英語も日本語も関係のない万国共通の情報です。stockanalysis.comのような整理されたデータサイトを使えば、読むものの大半は数字になります。
本当につまずくのは、英語ではなく「単位」
ここからが本題です。当サイトが実際に記事を書く中で数字を読み違えかけたのは、単語の意味がわからなかったからではありません。単位や表記のルールが、日本の感覚と違っていたからです。代表的なものを3つ挙げます。
- ペンス表示。ロンドン株はペンス(GBX)建てで表示されることが多く、画面に出ている数字をそのままポンドだと思い込むと、実際の価格を100倍取り違えます。単位が「GBX」なのか「GBP」なのかを、金額を見るたびに確認する必要があります
- FY表記のズレ。決算期が1月〜12月でない企業では、会社側が使っている「FY」の呼び方と、情報サイト側の表記がずれていることがあります。同じ期を指していても、年号の書き方が食い違って見えるケースがあるため、年号だけで判断せず「何年何月期の決算か」で確かめる必要があります
- billionと億の混同。英語の桁の区切り方は日本語と違うため、billion(10億)を感覚的に「億」と読み違えると、桁が10倍ずれます。当サイトもフォルクスワーゲンの数字を検算していたときにこの型の誤りに気づき、実際に修正した経験があります
この3つに共通するのは、英単語の意味を知っていても防げないという点です。「Dividend」が配当だとわかっていても、その数字がペンス建てかポンド建てかは、単語の知識とは別に確認しないとわかりません。欧州株で本当に必要なのは英語力そのものより、こうした単位・表記のクセを知ったうえで数字を機械的に確認する習慣だというのが、当サイトの結論です。
道具の使い方|データサイト+機械翻訳+原文で数字だけ確認
実務としての進め方はシンプルです。まず、株価や配当、決算の基本数値はstockanalysis.comのようなデータサイトで確認します。数字が整理されて並んでいるので、英語の文章を読む場面自体がほとんどありません。
文章そのものを読む必要がある決算プレスリリースやニュースについては、ブラウザの翻訳機能を使えばおおむね内容はつかめます。特別な翻訳ツールを契約する必要はありません。ただし、翻訳された金額や日付をそのまま信用しないことが重要です。機械翻訳は桁区切りの位置や日付の並び順を変換しきれず、崩してしまうことがあります。金額と日付だけは、翻訳後の文章ではなく原文の数字を自分の目で確認するのが確実です。
なお、ドイツ企業などでは英語版よりドイツ語版のIRページのほうが情報が詳しいことがあります。とはいえ、英語版のIRページが用意されていない主要企業はほぼありません。基本の確認は英語版で足り、より詳しく知りたいときだけ現地語版を機械翻訳で補う、という順番で十分だと思います。
まとめ:単語より、確認する手順を持つ
- 投資で実際に読む英語は定型の15語程度の繰り返し。数字と表は万国共通
- 当サイトの経験では、読み違いの原因は英語力ではなく単位(ペンス表示・FY表記・billionと億の混同)だった
- 基本の数値はデータサイトで、文章はブラウザの翻訳機能でおおむね読める
- ただし金額・日付は必ず原文の数字で確認する
- 英語版IRのない主要企業はほぼない。まず英語版、詳しく知りたいときだけ現地語版を補う
「英語ができないから」を理由に欧州株をあきらめる必要はないと思います。ただし、「誰でも簡単に読める」というのも正確ではありません。必要なのは語学力そのものより、単位と表記のクセを知ったうえで数字を確認する手順です。それは、日本語で書かれた日本の投資でも、本来は同じことだと思います。
この記事の検証方法
- 紹介した英単語15語は、当サイトが決算プレスリリースや企業IRページを読む際に実際に繰り返し目にしている基本語です
- ペンス(GBX)表示・FY表記のズレ・billionと億の混同は、当サイトが記事執筆中の数値確認で実際に注意・修正した経験にもとづいています
- ロンドン株のペンス(GBX)表示は取引所の一般的な表示慣行として広く知られている点を記載しています
- ドイツ企業の現地語IRページに関する記述は、当サイトが複数のドイツ企業のIRページを確認した実感です
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の内容は特定銘柄の保有状況とは関係ありません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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