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この記事の結論
- 暗号資産そのものを買わなくても、取引が起きる場所を持つ会社を株として買うという発想があります(いわゆる「つるはし」の考え方)
- 暗号資産は値上がりでしか儲からないのに対し、取引所やネット証券は売買が増えれば手数料が入るという収益構造の違いがあります
- ただし相場が閑散になれば取引量そのものが減るため、「下げ相場でも儲かる」わけではありません
- ドイツ取引所・スイスクオート・フィネコバンク・LSEGの4社は、いずれも本業が取引所・証券会社であって、暗号資産の会社ではありません。各社が暗号資産関連サービスをどの程度手がけているかは、当サイトで確認した範囲を超えるため本記事では断定しません
「暗号資産に興味はあるけれど、値動きの大きさが怖い」という声をよく見かけます。実際、暗号資産そのものは価格が上がらなければ利益になりません。値上がりに賭ける以外の関わり方はないのか、と考えたときに出てくるのが「つるはし」という有名な比喩です。ゴールドラッシュの時代、実際に金を掘り当てて大きく儲けた人はごく一部でしたが、つるはしやシャベル、テントを売った商人は、誰が金を掘り当てるかに関係なく確実に儲かったといわれます。
これを暗号資産に当てはめると、「暗号資産という資産そのものを買う」のではなく、「暗号資産の取引が起きる場所を運営する会社を株として買う」という発想が成り立ちます。この記事では、欧州の取引所・ネット証券として当サイトが個別記事を用意しているドイツ取引所・スイスクオート・フィネコバンク・LSEGを例に、この考え方の中身と、そのまま鵜呑みにしてはいけない部分を整理します。当サイトは暗号資産を扱っていませんし、この記事も暗号資産投資を勧めるものではありません。
収益構造の違い:値上がり依存と、手数料収入
暗号資産そのものと、取引所・証券会社の株では、儲かる仕組みがまったく違います。暗号資産は、買った価格より高く売れなければ利益になりません。上がるか下がるかの二択に、資産価値のすべてが左右されます。
一方、取引所や証券会社は、顧客の売買のたびに手数料や取引手数料が入る仕組みです。極端に言えば、価格が上がっても下がっても、誰かが売買さえすれば収益は発生します。値動きの方向を当てる必要がない、という点が、暗号資産そのものを持つのとは根本的に異なります。
ただし、これは万能の仕組みではありません。相場が閑散として売買が減れば、取引所や証券会社の手数料収入も一緒に減ります。「下げ相場でも儲かる」わけではなく、正確には「価格の方向ではなく取引量に収益が連動する」というだけです。ここを取り違えると期待外れになるので、誇張せずに押さえておきたい点です。
ドイツ取引所・スイスクオート・フィネコバンク・LSEG、断定できないこと
欧州の取引所・証券会社のうち、「取引が起きる場所を持つ会社」という文脈で語られやすいのが、ドイツ取引所・スイスクオート・フィネコバンク・ロンドン証券取引所グループ(LSEG)です。いずれも当サイトが個別記事を用意しており、本業は取引所運営またはオンライン証券・銀行です。
| 会社 | 国 | 本業 | ビジネスモデルとして言えること |
|---|---|---|---|
| ドイツ取引所 | ドイツ | 取引所運営・金融インフラ | 取引が増えれば手数料が入る |
| スイスクオート | スイス | オンライン証券・銀行 | 顧客の売買が増えれば手数料が入る |
| フィネコバンク | イタリア | ネット銀行・証券 | 同上 |
| ロンドン証券取引所グループ(LSEG) | イギリス | 取引所・金融データ配信 | 取引所収益+データ配信収益 |
ここで正直に書いておきたいのは、この4社が実際に暗号資産関連のサービスをどの程度手がけているかを、当サイトは検証していないという点です。取引所やオンライン証券という業態は、性質上、暗号資産の取引や商品を扱う可能性がある業種ではありますが、各社の暗号資産事業の有無や規模を本記事で断定することはできません。表で書けるのはあくまで「取引所・ネット証券というビジネスモデルの性質」までです。
MiCA規制との関係をどう見るか
もう一つ関係してくるのが、EUで導入された暗号資産の規制枠組み「MiCA(暗号資産市場規制)」です。暗号資産のサービスを提供する事業者は、EU域内で認可を取得する必要が出てきました。
認可制になったということは、規制対応にコストと体制がかかるということでもあります。既にコンプライアンス体制を持つ大手の取引所や証券会社にとっては、この規制が新規参入者に対する一種の参入障壁として働きうる、という見方があります。ただし、これは当サイトが実測や一次資料で検証した話ではなく、あくまで「そういう見方がある」という水準にとどめておきます。規制強化がどの会社にどう有利に働くかを断定するのは、本記事の範囲を超えます。
個別株で欧州の取引所やネット証券を買うなら、日本からはサクソバンク証券がほぼ唯一の入り口になります。SBI証券・楽天証券・マネックス証券は欧州の現地市場を取り扱っていません。
「関連株」というラベルの危うさ
ここまで見てきたとおり、「暗号資産関連株」という呼び方には注意が必要です。上に挙げた4社は、いずれも本業が取引所運営やオンライン証券であって、暗号資産そのものを扱う会社ではありません。もし将来、これらの会社が暗号資産関連の収益をより多く伸ばしたとしても、それは本業のなかの一部門にすぎず、会社そのものが暗号資産の値動きに連動するわけではないはずです。
「関連株」というラベルで銘柄を選ぶのは、テーマの人気に引っ張られて本業を見落とすリスクがあります。当サイトの銘柄選びの考え方でも書いているとおり、当サイトの立場は一貫して「テーマで買うのではなく会社で買う」です。取引所やネット証券という業態そのものに投資妙味を感じるなら、暗号資産というテーマ性を抜きにしても評価できるはずですし、逆にそれができないなら、テーマだけに乗った判断になっている可能性があります。
同じ取引所・証券という業態は、欧州の銀行株とも収益構造の考え方に近い部分があります。金利や不良債権といった数字で本業を見る姿勢は、ここでも変わりません。
まとめ:テーマではなく、何で稼いでいる会社かを見る
- 暗号資産そのものを買わなくても、取引が起きる場所を持つ会社という触れ方はあります(つるはしの考え方)
- 収益構造は違います。暗号資産は値上がり依存、取引所・ネット証券は手数料収入です。ただし取引量が減れば手数料収入も減るため、「下げ相場でも儲かる」わけではありません
- ドイツ取引所・スイスクオート・フィネコバンク・LSEGの4社は、いずれも本業が取引所・ネット証券であって、暗号資産の会社ではありません。各社の暗号資産事業の有無・規模は当サイトでは断定しません
- MiCA規制の認可制は、大手にとって参入障壁になりうるという見方がありますが、当サイトが検証した話ではありません
「関連株」という言葉は、たいてい本業を曖昧にします。何で稼いでいる会社かを先に見るほうが確実だと思います。
この記事の検証方法
- ドイツ取引所・スイスクオート・フィネコバンク・LSEGの本業と国は、当サイトの個別記事(本文中にリンク)を出典としています
- 各社の暗号資産関連サービスの有無・規模は、当サイトで確認した範囲を超えるため本記事では断定していません
- MiCA(暗号資産市場規制)の認可制については当サイトのMiCA解説記事を参照し、参入障壁になりうるという記述は「見方がある」の水準にとどめ、当サイト独自の検証結果としては書いていません
- サクソバンク証券の取扱・手数料は公式サイトの情報にもとづきます
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の商品を保有しているとは限りません。暗号資産は保有・取引していません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。暗号資産への投資を勧めるものでもありません。本文に登場する各社の暗号資産関連事業の有無・規模について、当サイトは独自の調査・断定を行っていません。記載の情報は本文記載の時点で確認したものに基づいており、変更される場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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