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ヨーロッパ株の具体的な投資戦略


目次

ヨーロッパ株に投資する理由

地理的・経済的な分散投資の重要性

資産運用において分散投資は、リスクを軽減し、安定的なリターンを狙うための基本戦略です。多くの日本人投資家は、日本株やアメリカ株に偏りがちですが、「地理的な分散」ができていない場合、市場全体の変動に大きく影響されやすくなります。

そこで注目すべきが、ヨーロッパ株への投資です。ヨーロッパは、経済構造や政治体制、産業の強みがアメリカやアジアと異なっており、これらをポートフォリオに組み込むことで、真の意味での「国際分散投資」が実現できます。

特にユーロ圏・ポンド圏といった異なる通貨地域に投資することにより、為替分散の効果も期待できる点は見逃せません。

ヨーロッパ特有の魅力(高配当、ESG、ブランド力)

ヨーロッパ株には、アメリカ株や日本株にはない独自の投資魅力があります。主なポイントは次の3つです。

① 高配当銘柄の多さ
ヨーロッパ企業は株主還元に積極的で、配当利回りが高い傾向にあります。特に英国、フランス、スペインなどでは、年利4〜6%以上の銘柄も珍しくありません。インカムゲインを重視する投資家にとっては、非常に魅力的な市場です。

② ESG投資の先進地域
EUは環境・社会・ガバナンス(ESG)に対して世界で最も厳しい規制を敷いており、企業側もそれに準拠した経営を進めています。結果として、サステナブルな企業群が多く、長期目線での投資先として信頼できます。

③ グローバルブランドの宝庫
LVMH、ネスレ、ロレアル、ASML、ノバルティスなど、世界的に知られる優良企業が多いのもヨーロッパ株の特徴です。これらの企業は世界中にビジネスを展開しており、地政学リスクにも比較的強いのが魅力です。

米国・日本株とのリスク分散比較

アメリカ株は世界最大の市場であり、成長性の高いテクノロジー企業が集まっています。一方、日本株は円建てで投資でき、相対的に安定した銘柄が多いですが、国内景気の影響を強く受けがちです。

これらに対して、**ヨーロッパ株は「第3の柱」**として機能します。以下のような観点から、バランスの取れたポートフォリオが構築できます。

  • アメリカ株のハイリスク・ハイリターンを中和
  • 日本株との為替リスクを分散(ユーロやポンド建て)
  • 各市場の景気循環の違いを活かす

たとえば、アメリカ市場が金利上昇で不調でも、ユーロ圏の金融政策が緩やかであればヨーロッパ株が相対的に強くなるといったケースもあり得ます。経済環境の異なる地域に投資することで、ポートフォリオの安定感は格段に向上します。

ヨーロッパ株投資で知っておくべき基礎知識

主な株式市場とその特徴(ドイツ、フランス、イギリスなど)

ヨーロッパ株に投資する際は、各国の主要な株式市場の特徴を理解しておくことが重要です。ヨーロッパと一口に言っても、国によって産業構造や代表的企業が大きく異なります。ここでは、特に注目すべき3つの主要市場を紹介します。

■ ドイツ(フランクフルト証券取引所)
ヨーロッパ最大の経済大国ドイツでは、DAX指数が代表的な指標です。製造業・自動車・工業系の企業が多く、BMW、ダイムラー、シーメンスなどが有名です。輸出依存度が高いため、世界景気や為替の影響を受けやすい点も特徴です。

■ フランス(ユーロネクスト・パリ)
フランスはラグジュアリーブランドや化学、エネルギー関連企業が豊富で、LVMH、ロレアル、トタルエナジーズなどが上場しています。ESG投資が盛んで、サステナブル経営に注力する企業が多いのも特徴です。

■ イギリス(ロンドン証券取引所)
ロンドン市場はヨーロッパの中でも最も国際的な取引所で、通貨はポンド(GBP)建てです。FTSE100指数には、金融・エネルギー・資源系のグローバル企業が多く、BP、HSBC、アストラゼネカなどが有名。高配当株の宝庫としても知られています。

これらを組み合わせて投資することで、ヨーロッパ全体の経済の動きを幅広く取り込むことができます。


通貨リスクと為替の考え方

ヨーロッパ株に投資する際の大きなポイントの一つが**「通貨リスク」**です。多くのヨーロッパ株は、**ユーロ(EUR)や英ポンド(GBP)**建てで取引されるため、為替レートの変動がリターンに大きく影響を与えます。

たとえば、株価が上がっても円高が進行すれば、円換算での評価益は縮小します。逆に、株価が横ばいでも円安になれば、為替差益が出ることもあります。

為替リスクへの対応としては、次のような方法が考えられます:

  • ETFや投資信託の「為替ヘッジあり」商品を活用する
  • ユーロ・ポンドなどの通貨分散を意識して投資する
  • 長期投資により為替変動の影響を平準化する

通貨リスクを正しく理解した上で、為替の変動を味方にする戦略を立てることが、ヨーロッパ株投資の成否を分けるカギとなります。


税制と配当金の取り扱い(日本居住者と非居住者の違い)

ヨーロッパ株の投資で見落とされがちなのが、配当金にかかる税金です。各国によって源泉徴収の制度が異なるため、事前に税制を把握しておくことが必須です。

■ 日本居住者の場合

ヨーロッパ株の配当には、**現地課税(約15〜35%)+日本国内課税(約20.315%)**がかかります。つまり、配当が二重課税されることになります。

ただし、外国税額控除を使えば、一定額までは日本での課税を軽減できます。確定申告が必要ですが、リターンを最大化するためには重要な手続きです。

■ 非居住者(海外在住者)の場合

日本に住民票がない非居住者の場合、日本国内での課税は原則免除されます。ただし、居住国によってはそこで課税されるため、「どの国に住んでいるか」によって最適な証券口座や投資スタイルが変わるのが実情です。

また、証券会社によっては現地課税が軽減される条約適用の手続きをサポートしている場合もあるため、口座開設時にはこの点も確認しておきましょう。


投資戦略①:インデックス投資で広くカバー

ヨーロッパ株に連動するETFの選び方

ヨーロッパ株に幅広く投資したいなら、ETF(上場投資信託)を活用したインデックス投資がもっとも手軽で効果的な手法です。個別株と違って、複数の銘柄に一括で分散投資できるため、初心者にも安心です。

以下のポイントに注目して、ヨーロッパ株ETFを選ぶとよいでしょう:

  • どの指数に連動しているか(例:MSCI Europe、STOXX Europe 600)
  • 経費率(信託報酬)が低いか
  • 取り扱い証券会社と購入可能通貨(円建て/外貨建て)
  • 運用資産残高(流動性)

代表的なETFには以下のようなものがあります:

ETF名連動指数特徴
iShares MSCI Europe ETF(IEUR)MSCI Europe幅広い欧州先進国株に分散投資可能
Vanguard FTSE Europe ETF(VGK)FTSE Developed Europe経費率が低く長期投資向け
SPDR EURO STOXX 50 ETF(FEZ)EURO STOXX 50ユーロ圏の大型株に集中

いずれもアメリカ市場で上場しているため、日本のネット証券から購入可能です。初心者は、流動性が高く取り扱いやすいETFから始めるのがおすすめです。


MSCI Europe指数・STOXX Europe 600とは?

ヨーロッパ株のETFを選ぶうえで、よく登場するのが「MSCI Europe指数」や「STOXX Europe 600指数」です。それぞれの違いと特徴を理解しておきましょう。

■ MSCI Europe指数とは?
MSCI Europeは、15カ国の欧州先進国の大型・中型株約430銘柄で構成されており、ヨーロッパ経済の中心的な企業群に投資できます。構成比率は、イギリス、フランス、ドイツ、スイスが多く、グローバルに展開する企業が中心です。

■ STOXX Europe 600指数とは?
一方でSTOXX Europe 600は、17カ国の大型・中型・小型株600銘柄をカバーし、より広範な市場に投資できます。小型株も含まれるため、地域経済の成長を取り込む分散効果が高いのが特徴です。

指数名銘柄数主な構成国特徴
MSCI Europe約430イギリス、フランス、ドイツなど安定性重視
STOXX Europe 600600EU+スイス、イギリスなど幅広い分散投資が可能

どちらもヨーロッパ株ETFの代表的なベンチマークであり、長期投資において有力な選択肢となります。


長期保有を前提とした分散戦略

インデックス投資は、短期的な価格変動に惑わされず、10年〜20年のスパンで保有することを前提に設計された戦略です。特にヨーロッパ株の場合、配当利回りが高く、時間を味方につけることで複利効果を最大化できます。

長期保有を成功させるためのポイントは以下の通りです:

  • 毎月一定額を積立投資する(ドルコスト平均法)
  • 経費率の低いETFを選ぶ
  • ETFを複数地域(ヨーロッパ・アメリカ・日本)に分散する
  • リバランスを年1回など定期的に行う

また、ETFは配当金が出るものも多く、配当再投資を自動で行う「積立NISA口座」や、米国ETFを使った「特定口座」との相性も良いです。

「ヨーロッパ株は難しそう」と感じるかもしれませんが、ETFを活用すれば、実は米国株や日本株と同じ感覚で手軽に始められる分散投資の選択肢となります。


投資戦略②:高配当株によるインカムゲイン狙い

4-1. 高配当銘柄が多いセクターと国

ヨーロッパ株の魅力の一つが、高配当株の豊富さです。アメリカ株よりも配当性向が高く、インカムゲイン(配当収入)を重視する投資家にとって非常に魅力的な市場と言えます。

特に以下のセクターと国に注目すると、高配当銘柄を見つけやすくなります。

■ 高配当が多いセクター

  • エネルギー(石油・ガス):トタルエナジーズ(フランス)、BP(イギリス)など。高配当の代表格。
  • 金融(銀行・保険):HSBC、BNPパリバ、アリアンツなど。景気に左右されるが配当利回りは安定傾向。
  • 通信:ボーダフォン、オレンジなど。成長性は限定的だが、配当収入を重視する投資家に人気。
  • 公益事業:電力・水道系など。安定収益で配当継続性が高い。

■ 高配当が多い国

  • イギリス:ポンド建てでの投資になるが、配当利回り4〜6%の銘柄が多い。
  • フランス・スペイン:エネルギーや通信インフラ系が中心。EU域内で税制優遇措置もあり。
  • オランダ・ベルギー:ややマイナーだが、グローバル展開する企業が多く安定配当。

これらのセクターと国をうまく組み合わせることで、リスクを分散しながらも高いインカムを得る戦略が構築できます。


4-2. 配当利回りランキングと注目企業(例:トタルエナジーズ、BP)

高配当株への投資では、配当利回りの高さだけでなく、安定した配当実績と将来性も重視すべきです。以下は、ヨーロッパ市場で注目される代表的な高配当銘柄ランキング(2025年初時点の参考値)です。

企業名業種配当利回り(目安)
トタルエナジーズ(TotalEnergies)フランスエネルギー約6.5%
BPイギリスエネルギー約6.0%
アストラゼネカイギリス医薬品約3.5%
エンディサ(Endesa)スペイン電力約7.0%
BNPパリバフランス銀行約5.5%

※数値は為替・市場状況により変動します。最新データは証券会社や情報サイトをご確認ください。

これらの企業は、世界展開している大企業でありながら、安定したキャッシュフローを持ち、株主還元にも積極的です。
特にトタルエナジーズやBPのようなエネルギー株は、資源価格と連動しやすい反面、景気回復局面では大きなリターンが期待できるジャンルです。


為替の影響を踏まえた配当再投資戦略

ヨーロッパ高配当株を保有していると、配当金はユーロやポンドなどの外貨で受け取るケースが多くなります。ここで重要なのが、「為替の影響」をどう捉えるか、という点です。

■ 為替の基本戦略

  • 円高時に配当金を円転すると受取額が減る
  • 円安時は外貨配当の価値が上がる
  • よって、為替のタイミングを見ながら円転 or 再投資を選ぶのが理想です。

■ 再投資の選択肢

  • 外貨のまま同じ銘柄に再投資する:複利効果を最大化しやすい
  • 配当を他の通貨建てETFに振り分けて通貨分散:為替リスクのヘッジにも有効
  • 配当金で米国ETFや日本株を買うなど、グローバル分散を意識する

為替リスクをリターンの障害と見るのではなく、「再投資戦略の一部」として捉えることで、ヨーロッパ高配当株のパフォーマンスをさらに高めることが可能になります。

投資戦略③:グロース株やブランド株に集中投資

ヨーロッパ株というと「高配当」「ディフェンシブ」という印象を持つ方も多いですが、実は世界的な成長企業やブランド企業も数多く存在しています。

ここでは、配当よりも**キャピタルゲイン(値上がり益)を狙う「成長株投資」や「テーマ型投資」**を紹介します。米国株とは違った視点でヨーロッパの可能性を感じられる戦略です。


ヨーロッパ発の世界的ブランド(例:LVMH、ASML、ネスレ)

ヨーロッパは、長年にわたって築き上げられたブランド力を持つ企業の宝庫です。以下は、世界中の投資家から注目される欧州の代表的なブランド・グロース株です。

企業名業種特徴
LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)フランスラグジュアリー70以上の高級ブランドを傘下に持つ業界最大手。中国・米国でも絶大な人気。
ASMLオランダ半導体装置EUV露光装置の世界唯一の製造企業。AI・5G・車載半導体需要で高成長中。
ネスレスイス食品・飲料世界190カ国以上に展開。ヘルスケアやベビー用品など成長分野にも注力。

これらの企業は、グローバル市場で強い競争力を持ち、長期での売上・利益成長が見込まれる優良企業です。
「ヨーロッパ株=安定・配当」のイメージを覆す、魅力的な成長ストーリーを持っています。


テーマ型投資:ラグジュアリー、再エネ、AI関連

ヨーロッパ株は、「テーマ型投資」にも適した銘柄が多数存在します。将来性のある分野に集中投資することで、ポートフォリオの成長性を引き上げることが可能です。

■ 注目の3テーマと代表銘柄

テーマ期待される背景主な銘柄例
ラグジュアリーアジア富裕層の拡大・コロナ後の旅行需要回復LVMH、ケリング、リシュモン
再生可能エネルギーEUのグリーン政策、脱炭素トレンドオルステッド、EDP、イベルドローラ
AI・半導体関連デジタル化・自動運転・生成AIの台頭ASML、Infineon、STマイクロ

これらは単なる流行ではなく、EU全体の政策とも連動した中長期の成長分野です。ETFやテーマ型ファンドを活用するのも一つの手ですが、個別銘柄をピックアップすることで、より高いリターンを狙うことができます。


成長力を見極める指標と分析のコツ

成長株を選ぶうえで大切なのは、定量的な指標と定性的なビジネスの理解の両方をバランス良く行うことです。以下のような分析ポイントを押さえておきましょう。

■ 注目すべき成長指標

  • 売上成長率(Revenue Growth Rate):過去5年の推移をチェック
  • 営業利益率(Operating Margin):収益性の高さを評価
  • ROE / ROIC:資本効率を測る指標。高いほど優良企業
  • EPS成長率(1株利益の増加):株主価値の成長を見る指標

■ その他の評価ポイント

  • 業界の競争優位性(参入障壁、特許、ブランド力)
  • 国際展開の状況(地域別売上構成)
  • ESGスコア(長期保有を前提とするなら重要)

たとえばASMLは、EUV露光装置という代替不可能な製品を持ち、顧客はIntelやTSMCといった世界の半導体大手。こうした構造的な優位性を持つ企業は、一時的な業績変動があっても長期では成長を続ける可能性が高いです。

ヨーロッパ株の購入方法とおすすめ証券口座

ヨーロッパ株に投資するには、日本国内の証券口座を活用する方法と、海外口座を開設する方法の2つがあります。ここでは、それぞれの方法とおすすめの証券会社について詳しく解説します。


日本から購入可能な証券会社の比較(SBI、楽天、マネックスなど)

日本に居住している個人投資家でも、ヨーロッパ株を取り扱っている証券会社を使えば、簡単に投資が可能です。以下に、主要ネット証券3社の特徴をまとめました。

証券会社主な特徴ヨーロッパ株の取扱銘柄取引通貨
SBI証券米国・中国株に強い/ヨーロッパETFは豊富米国上場ETF中心米ドル/円
楽天証券UIが使いやすく初心者向け/NISA対応米国ETF中心、一部ADRあり米ドル/円
マネックス証券海外株に最も強い/個別銘柄の欧州株も一部取扱LVMH、ASMLなどのADR取扱あり米ドル/円

※ADR(American Depositary Receipt)を通じて、ヨーロッパ企業株に米ドル建てで投資できるサービスもあります。

多くの日本人投資家は、「米国市場に上場しているヨーロッパ株ETF(VGKやIEURなど)」を利用することで、円から簡単に投資できるのが実情です。


外国株取引の手数料・為替スプレッドのチェックポイント

ヨーロッパ株への投資では、「手数料と為替スプレッドの差がリターンに直結する」ため、コスト構造の理解は非常に重要です。

■ 手数料のチェックポイント

  • 売買手数料(約定金額の0.45%前後が多い)
  • 最低手数料の有無(例:5ドル〜)
  • 管理手数料(ETFの場合、経費率)

■ 為替スプレッドとは?

証券会社で円→外貨(ユーロや米ドル)に交換する際、実際の為替レートと異なる「スプレッド」が上乗せされます。この差が意外と大きく、1ドルあたり15〜25銭の開きが出ることも。

対策としては:

  • 為替交換レートが優遇されている証券会社を使う
  • 住信SBIネット銀行などで外貨に両替後、証券口座に入金する裏技もあり

小さなコストでも、長期投資では複利で効いてくるため、必ず比較するクセをつけましょう。


海外口座(サクソバンクなど)の活用法

ヨーロッパ株に本格的に取り組みたい方や、日本に住民票がない非居住者の方は、海外証券口座の活用も選択肢のひとつです。その中でも特におすすめなのが、サクソバンク証券です。

■ サクソバンク証券とは?

デンマークに本拠を置くグローバル金融機関「Saxo Bank Group」が運営する証券会社で、世界180カ国以上で利用されている信頼性の高いブローカーです。日本にも正規法人があり、日本語サポート・日本円入金・国内規制準拠といった安心感があります。

■ サクソバンクの魅力と特徴

項目内容
取扱市場ドイツ・フランス・イギリス・スイスなど、ヨーロッパ主要国の個別株・ETF
通貨対応EUR(ユーロ)、GBP(英ポンド)など複数通貨に対応
手数料欧州株は**1取引あたり約5ユーロ〜**とリーズナブル
情報ツール高機能なチャート、企業分析ツール、リアルタイムニュースあり
日本語サポート公式サイト・サポートともに完全日本語対応で安心

サクソバンクは、「海外口座の利便性」と「国内証券並みの安心感」を両立した非常にバランスの良い選択肢です。特に「英語の壁が不安」「為替や税金が気になる」という日本の投資家にもぴったりのプラットフォームです。
もちろん日本在住の方も使えます。

■ サクソバンクはこんな人におすすめ

  • ヨーロッパ株に現地通貨建てで直接投資したい人
  • LVMHやASMLなど、本国上場の個別株を買いたい人
  • 国内証券では取り扱いのない細かい銘柄やETFを選びたい人
  • 日本語サポートのある安心できる海外口座を使いたい人

ヨーロッパ株投資におけるリスクと注意点

ヨーロッパ株には魅力的な成長機会と安定した配当利回りがありますが、一方で独自のリスクや注意点も存在します。投資判断を誤らないためにも、以下の3つのポイントをしっかり理解しておくことが重要です。


政治・経済リスク(EU政策、ウクライナ情勢など)

ヨーロッパ株投資における最大のリスクの一つが、政治・経済の不確実性です。EUは複数の国で構成されており、単一国家のようにまとまりがあるわけではありません

■ 主なリスク要因

  • EU政策の不透明さ:移民問題、財政規律、エネルギー政策など、加盟国間の意見の違いが市場を揺さぶることがあります。
  • 地政学リスク:特にウクライナ情勢やロシアとの関係悪化は、エネルギー価格や為替、株式市場に大きな影響を及ぼします。
  • 選挙による市場変動:フランスやドイツなどの主要国の選挙では、ポピュリズムの台頭が懸念され、金融市場が敏感に反応します。

これらの要因によって、株価が急落したり、投資判断の先送りが発生する可能性があるため、常に欧州情勢のニュースを追う習慣が重要です。


為替の急変動が与える影響

ヨーロッパ株は、ユーロ(EUR)や英ポンド(GBP)といった外貨建てで取引されるため、為替レートの変動がリターンに直結するリスクがあります。

■ 為替変動の具体的な影響

  • 円高になると、外貨建て資産の円換算評価額が下がる
  • 配当金も円に換算する際、受取額が大きく変わる
  • 為替差損により、株価が上がってもトータルでは損となるケースもある

たとえば、ユーロ建てETFで10%の値上がりがあっても、同時に円高が10%進めば為替差損でプラスマイナスゼロになる可能性もあります。

対策としては、

  • 為替ヘッジ付き商品を選ぶ
  • 複数通貨への分散投資を行う
  • 円安・円高局面での戦略をあらかじめ想定しておく

といったリスクコントロールが有効です。


流動性・情報の入手性に関する課題

日本国内からヨーロッパ株を購入する際には、**「流動性」と「情報の透明性」**という2つの障壁があります。

■ 流動性リスクとは?

ヨーロッパ株の中でも、特に小型株や特定国の銘柄は出来高が少なく、思った価格で売買できないケースがあります。特に市場が不安定な時期には、売却に時間がかかることも。

■ 情報の入手難易度

ヨーロッパの個別株については、日本語での情報が圧倒的に少ないのが現実です。英語・仏語・独語など多言語での企業IR資料や決算情報を読む必要があるため、情報収集のハードルは高めです。

対策としては、

  • グローバルな証券口座(IBKRなど)を使い、公式情報に直接アクセス
  • 英語でのニュースソース(Reuters、Bloomberg、Yahoo Finance)を活用
  • ETFやADRを通じて、流動性・情報取得面のリスクを回避

こうした工夫をすることで、情報格差による判断ミスを防ぎ、より精度の高い投資判断が可能になります。


ヨーロッパ株投資は、リターンの可能性と同時にリスクも伴う投資対象です。
しかし、「リスクを知り、備える」ことで、安定した国際分散投資の柱として活用することが可能です。

まとめ:ヨーロッパ株投資で中長期の資産形成を狙う

ヨーロッパ株投資は、「高配当」「世界的ブランド」「ESG・再エネ」「テーマ型グロース」といった多様な魅力を持ち、中長期の資産形成に最適な選択肢のひとつです。

特に、日本株・米国株に偏ったポートフォリオに、ヨーロッパ株を組み込むことで、地理的・通貨的・業種的な分散が実現し、より安定した資産運用を目指すことができます。


自分に合った戦略を選ぶポイント

ヨーロッパ株への投資といっても、アプローチは人それぞれ。大切なのは、自分の投資スタイルや目的に合った戦略を選ぶことです。

投資スタイル向いている戦略主な商品
初心者・少額投資家ETFを活用したインデックス投資VGK、IEURなど
安定収入を得たい高配当株への分散投資トタルエナジーズ、BP、ネスレなど
成長を重視グロース株・テーマ株への集中投資ASML、LVMH、ESG・AIテーマETF

「どれか一つに決める」のではなく、資産配分(アセットアロケーション)を調整しながら、複数戦略を並行して実行するのも有効な方法です。


日本・米国株との組み合わせで安定的な資産運用へ

長期的な資産形成を成功させるカギは、複数の地域・通貨・業種にまたがった国際分散投資にあります。

  • 日本株:円建て資産としての安定性。生活防衛資金に近いポジション。
  • 米国株:世界を牽引するテック・金融の成長エンジン。
  • ヨーロッパ株:高配当やブランド企業、ESG関連銘柄でバランスを取る存在。

このように、日本・米国・ヨーロッパの3つの地域をバランス良く組み合わせることで、景気サイクルや為替リスクの影響を最小限に抑え、安定的なリターンを追求することが可能になります。

特に円安やドル高ユーロ安といった為替トレンドが続く現代において、複数通貨への分散投資は「資産防衛」の観点からも極めて有効です。


ヨーロッパ株はまだ日本ではマイナーな投資対象ですが、だからこそ、一歩先を行く投資家にとっては大きなチャンスでもあります。
地理・通貨・業種の壁を越えて、あなただけの資産形成ストーリーを描いていきましょう。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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