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イギリス編:ロンドン市場の配当王を狙え!

イギリス編:ロンドン市場の配当王を狙え!

アメリカ株の勢いは落ち着きつつあり、日本株もすでに割安感を失いつつある――。
「次にどこを狙うべきか?」と考える投資家に、今、静かに注目されているのがイギリス株です。

ロンドン市場には、配当利回りが5〜7%を超える“配当王”がゴロゴロ存在しています。
しかも、ただ配当が高いだけではありません。エネルギー、金融、生活必需品、インフラといったディフェンシブかつグローバルに強い企業ばかり。
不況でも配当を維持し、長期で資産を育てたい投資家にとっては、まさに“仕込みどき”ともいえるタイミングです。

本記事では、ロンドン市場の中でも「安定・高配当・信頼」の三拍子がそろった銘柄を厳選してご紹介します。
為替リスクを味方にし、日本の投資家が得をするロジックもあわせて解説していきます。

イギリス株は、まだ日本ではニッチな領域ですが、だからこそ差がつきます。
情報を制する者が、配当を制する。
このチャンスを、あなたのポートフォリオに活かしてみませんか?


目次

なぜ今、イギリス株なのか?

世界中の投資マネーが行き場を探す中、ロンドン市場に静かな注目が集まっています
その背景には、米国株の調整、日本株の上昇一服といった「他市場の限界」があります。
そして何より、イギリス株の“割安さ”と“高配当文化”が今、相対的に輝いて見えるのです。

アメリカ株の一服感、日本株の過熱感

2024年にかけて大きく上昇したアメリカ株は、金利高止まりとバリュエーションの上昇により、一部で過熱感や高値警戒感が強まっています。S&P500は依然として強いものの、グロース株を中心とした上昇に偏りが見られ、「次の上昇余地は限定的」と考える投資家も増えています。

一方、日本株はバフェット効果や円安トレンドを追い風に急騰しましたが、TOPIXや日経平均はすでに高値圏に位置しており、個別株でもバリュエーション的に“割安感”を見出しにくくなっています。

そんな中、“次の投資先”を探す個人投資家が向かっているのが、ヨーロッパ市場、とくにロンドン市場を中心としたイギリス株です。


ロンドン市場の“割安さ”に注目せよ

イギリス株式市場は、コロナ以降の経済不安やBrexit(EU離脱)などの影響もあり、長期間にわたり低評価を受けてきました。その結果、いまだにPBRやPERといったバリュエーション指標が相対的に低く抑えられているのが現状です。

特に、FTSE100に上場する大手企業の中には、配当利回り5%以上を維持しつつも、株価が割安圏に放置されている銘柄が多く存在します。

これはまさに、「リスクは織り込み済み、リターンはこれから」という理想的なエントリーポイントとも言えます。


ロンドン市場の特徴と投資家が得をする理由

イギリス株に投資する価値は、「配当利回り」だけでは語り尽くせません。
その背景には、ロンドン市場というグローバル金融の中心地の圧倒的な信頼性と構造的な強みがあります。
ここでは、日本の投資家が「知っているだけで得をする」ロンドン市場の本質を、3つの視点から解説します。


世界有数の金融ハブ「シティ・オブ・ロンドン」

ロンドンは、ニューヨークと並ぶ世界2大金融センターのひとつとして知られています。
とくに「シティ・オブ・ロンドン(City of London)」は、世界中の金融機関や大企業が集結する国際金融の聖地とも言えるエリアです。

この街では、為替・債券・商品・株式など、あらゆる金融商品がリアルタイムで取引されており、グローバル資金が常に流れ込んでいます
そんな環境に上場している企業群は、国際的な透明性・情報開示・経営ガバナンスの水準が極めて高く、日本の投資家にとっても安心して長期保有できる対象になります。

🟨小ネタ:世界の金価格はロンドンで決まっている

ロンドン市場の金融的影響力を語る上で、ぜひ知っておきたいのが「金価格の決定権」です。
実は、世界の金価格(ロンドン金価格/LBMA Gold Price)は、今もロンドンで決められています。

これは「ロンドン・フィキシング」と呼ばれるプロセスに基づき、ロンドン貴金属市場協会(LBMA=London Bullion Market Association)の認定メンバーによって、1日2回、世界基準となる金価格が決定されます。

つまり、ロンドンは単なる株式市場の中心ではなく、世界の実物資産の価格形成をも左右する金融の要所なのです。


英国株式市場の構造とFTSE100の役割

イギリス株式市場の中心は「ロンドン証券取引所(London Stock Exchange)」であり、その代表的な株価指数がFTSE100(フッツィー・ワンハンドレッド)です。

FTSE100は、イギリスを代表する大型企業100社で構成された指数で、構成銘柄の多くがエネルギー・金融・消費・インフラなどの国際企業です。
つまり、イギリス国内の景気に依存せず、世界中で売上を上げる企業が大半を占めているということ。これは、ポートフォリオに組み込む際の「地政学リスク分散」にもつながります。

また、FTSE100の企業は配当利回りの平均が他国市場より高く、5%前後の企業が多数を占めます。
株価の値上がり益よりも、インカムゲイン(配当収入)を重視する投資家にとって非常に魅力的な市場構造です。

※このチャートは招待リンク付きで表示しています

ロンドン市場の“配当王”とは何者か?

「高配当株」と聞いて真っ先にアメリカ株を思い浮かべる方は多いかもしれません。
しかし、配当を“文化”として重んじてきたのは、むしろイギリス株のほうです。

ロンドン市場には、配当利回り5%超えが“当たり前”の企業が数多く上場しており、投資家のインカムゲイン戦略においては極めて魅力的なマーケットと言えるでしょう。
では、なぜイギリスには“配当王”が多く存在するのでしょうか?その理由と、彼らがただの「高配当株」ではない理由を、深掘りしていきます。


配当文化が根づくイギリス企業の特徴

イギリスでは、株主に対する還元姿勢が非常に強く、「毎年配当を出すこと」が経営の基本方針として根づいている企業が多く存在します。
日本企業のように内部留保に頼るのではなく、利益が出たら積極的に配当や自社株買いで株主へ利益を還元するスタイルが浸透しています。

特にFTSE100に上場しているような大企業は、投資家(特に年金ファンドや個人投資家)からの配当期待が極めて高いため、多少業績が落ちても配当を維持する努力を惜しみません
これこそが、イギリス株が「長期保有に向いている」と言われる最大の理由の一つです。


配当利回り5%超えの理由と裏付け

ロンドン市場の高配当銘柄が魅力的なのは、利回りが“異常に高い”わけではなく、企業のキャッシュフローとバランスシートに裏付けられているからです。

たとえば、

  • British American Tobacco(BAT)は、安定した需要のあるタバコ産業で、営業キャッシュフローが豊富。
  • National Gridは公益事業として規制下にあり、収益が読みやすい。
  • HSBCShellといったグローバル企業は、世界中の市場で利益を上げており、通貨や地域の分散が効いている

これらの企業は単に「株価が低迷しているから利回りが高い」のではなく、企業体質として“配当を出し続けられる体力”を持っているのです。

さらに、FTSE100全体でも平均配当利回りは3.5〜4.5%と、他国指数と比べても非常に高水準にあります。


高配当“だけじゃない”企業の強みとは

「高配当株=成長が鈍化した成熟企業」と思われがちですが、イギリスの配当王はそれだけではありません

例えば、

  • BPやShellは、再生可能エネルギーへの転換投資を進めており、中長期での収益源の多様化を図っています。
  • GSK(グラクソ・スミスクライン)は医薬品分野での研究開発を続け、ヘルスケア需要の拡大を取り込んでいます。
  • Diageoなどの消費財企業は、新興国市場でも成長余地が大きく、グローバル展開力が企業価値の源泉となっています。

つまり、「高配当+成長力+国際分散」という三拍子がそろった企業が、ロンドン市場には数多く存在するのです。


注目の配当王銘柄トップ5(2025年版)

ここでは、ロンドン市場に上場する“配当王”の名にふさわしい厳選5銘柄をご紹介します。
いずれも配当利回りだけでなく、事業の安定性・成長余地・国際分散など、長期投資に欠かせない要素を備えています。


British Petroleum:脱炭素と配当の両立

BP(British Petroleum)は、世界的な石油・ガスの巨人でありながら、再生可能エネルギーへの転換を進めている企業です。
近年は「Net Zero by 2050」を掲げ、風力・太陽光・水素などへの投資を加速しています。

それでも、現在も化石燃料からの安定収益があり、配当利回りは約5〜6%と魅力的な水準を維持しています。

特に2024〜2025年にかけての原油価格の安定化は、エネルギー株全体に追い風。
「成長と還元の両立」を目指すBPは、エネルギー転換期の主役候補です。

※このチャートは招待リンク付きで表示しています

British American Tobacco:利回り9%の実力

BAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)は、イギリスが誇る世界的なたばこメーカーです。
その特徴はなんといっても、配当利回り8〜9%という圧倒的な水準

ESGの観点からたばこ株は敬遠されがちですが、需要の粘着性・価格支配力・高利益率という強固なビジネスモデルは健在です。

また、電子タバコや加熱式たばこなど新領域にも投資を進めており、時代の変化に対応しながらも、配当を維持・増加させてきた実績があります。

高配当株の中でも“現金製造マシン”のような存在といえる1社です。

※このチャートは招待リンク付きで表示しています

HSBC:世界規模の金融ネットワーク

HSBC Holdingsは、イギリスを拠点としながら、アジア・欧州・中東・北米にまたがる国際的な銀行グループです。
特に香港・中国市場に強く、グローバル経済の動向と連動したポートフォリオ形成が可能な銘柄です。

近年の金利上昇局面では、純金利マージン(利ざや)の改善によって収益性が回復し、配当も強気に回復中。
現在の**配当利回りは約6〜7%**と、銀行株としても非常に高水準です。

為替・金利・経済成長を一括で取り込みたい投資家にとって、HSBCは“攻守両面”のバランスが取れた銘柄です。

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National Grid:ディフェンシブ代表格

National Grid(ナショナル・グリッド)は、イギリスと米国の送電・配電インフラを担う公益事業企業です。
景気に左右されにくい収益構造を持ち、配当利回りはおよそ4〜5%と安定。

インフレ環境下でも、電気・ガスといった生活必需サービスの需要は変わらず、公共性の高さと安定配当を兼ね備えた典型的ディフェンシブ株として重宝されます。

また、再生可能エネルギーやグリッド管理の最適化にも取り組んでおり、将来的な成長テーマにも乗れるのが魅力です。

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Shell:原油依存からの転換戦略

Shell(シェル)は、BPと並ぶイギリスの代表的なエネルギー企業です。
近年は、原油価格の上昇を背景に強力なキャッシュフローを生み出しており、配当利回りは5%前後
を維持。

それに加えて、液化天然ガス(LNG)や再エネ事業への本格的な投資にも積極的で、「原油一辺倒」だったイメージから脱却しつつあります。

脱炭素トレンドに順応しながらも、エネルギー収益を確保し続ける実力派。
エネルギーセクターでリスクを取りすぎず、安定配当を狙いたい投資家に適した1社です。

※このチャートは招待リンク付きで表示しています

投資戦略とポートフォリオへの組み入れ方

高配当が魅力のイギリス株ですが、「買って終わり」では意味がありません
本セクションでは、日本の個人投資家がどのようにロンドン市場の銘柄をポートフォリオに組み込み、資産形成に活かすべきかを具体的に解説します。

日本人投資家向け・高配当分散の組み方

日本人投資家にとって、イギリス株は「為替リスクを含む海外投資」である以上、一極集中ではなく“分散型”でのアプローチが基本となります。

おすすめの戦略は、以下のような3本柱の分散型構成です:

  • 【安定収益】National GridやHSBCなど、景気変動に強いセクターで基盤を作る
  • 【高配当狙い】BATやShellなど、高利回り銘柄でインカムゲインを強化
  • 【成長性】BPやGSKなど、再生エネ・ヘルスケアに展開している企業で未来を取り込む

これにより、「配当+安定+成長」のバランスが取れた構成となり、中長期での資産形成に耐えうる戦略が完成します。


ロンドン株 vs 米株:配当戦略の違い

よく比較されるのが、イギリス株と米国株の“配当戦略”の違いです。

項目イギリス株(FTSE100)米国株(S&P500)
平均配当利回り約3.5〜4.5%約1.5〜2.0%
株主還元の文化配当を重視配当+自社株買い
成長期待中〜低成長高成長株多め
通貨の影響ポンド安の恩恵ありドル建て

米国株はキャピタルゲインを狙う投資家に人気ですが、イギリス株はインカムゲイン重視の層に強く刺さります
年金・FIRE・セミリタイアなど、「安定収入を確保したい」投資家にはロンドン株の配当戦略が最適です。


FTSE100 ETFという選択肢

個別銘柄の選定が難しい、あるいは初心者の方には、FTSE100に連動するETFで分散投資する方法も非常に有効です。

おすすめのETF例:

ETFを活用すれば、少額から英株全体のリターンを享受できるうえ、個別リスクの回避や時間の節約にもつながります

日本の証券会社(例:サクソバンク証券)でも購入可能で、ロンドン市場への第一歩として理想的な選択肢です。


まとめ:配当王とともに、次の10年を勝ち取る

ロンドン市場の魅力を再確認

ここまでご紹介してきたとおり、ロンドン市場には長期保有に適した「配当王」たちがそろっていることがお分かりいただけたと思います。

  • 世界有数の金融ハブであるロンドン市場の信頼性
  • 国際展開するグローバル企業の安定した事業基盤
  • 長年にわたり5%前後の高配当を維持する還元文化

これらは、アメリカ株や日本株にはない、イギリス株ならではの魅力です。
成長だけでなく「安定収入」を重視する投資家にとって、ロンドン市場は非常に強力なポートフォリオの柱となるでしょう。

今後の注目テーマ(脱炭素、再生エネ、金融政策)

今後10年を見据えたとき、ロンドン市場の“配当王”たちがさらに輝く条件は揃っています。

  • 脱炭素シフトに挑むBPやShellは、新エネルギー市場での成長ドライバーとなる可能性が高く、
  • National GridやGSKは社会インフラやヘルスケアというディフェンシブ領域での地位を固めつつあります。
  • HSBCは金利やアジア経済の動向をレバレッジとして取り込める国際銀行として、今後の金融政策にも敏感に対応できます。

つまり、イギリス株は「ただ高配当なだけの成熟株」ではなく、変化に対応しながら、将来の成長にもつながる投資対象だと言えるのです。

情報格差を味方にする投資行動を

日本国内では、アメリカ株の情報は多く流通していても、イギリス株に関する情報はまだまだ限られています
だからこそ、「知っているだけで優位に立てる」=情報格差を活かせるマーケットとも言えます。

この記事を読んでいるあなたは、すでに一歩リードしています。
次にすべきは、「知る」から「動く」へのステップです。

  • サクソバンク証券などで口座を開き、実際にロンドン市場に触れてみる
  • FTSE100 ETFから始めて、徐々に個別銘柄へ分散していく
  • 為替・配当・成長テーマをバランスよく取り込むポートフォリオを組んでみる

10年後、資産と配当収入の両方を手に入れる未来を実現するために――。
ロンドン市場の配当王たちとともに、今、動き出してみてはいかがでしょうか。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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