日本やアメリカ株に比べて、なかなか注目されにくいヨーロッパ株。しかし実は今、「経済格差」という視点で見ると、大きな投資チャンスが広がっています。
EU圏では国ごとの成長スピードに差があり、停滞する大国の陰で静かに成長を遂げている国々が存在します。そうした地域に早期に注目できれば、欧州株の中でも割安かつ将来有望な銘柄に出会える可能性が高まります。
この記事では、経済格差を切り口に、欧州の中で「今買うべき国」をわかりやすく解説。投資の新しい視点を得たい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
“経済格差”が投資チャンスになる理由とは?
欧州株に眠るチャンスを見逃すな
世界中の投資家が米国株に熱視線を注ぐなか、ヨーロッパ株は相対的に注目度が低い――それが、大きなチャンスであることをご存じでしょうか?
ヨーロッパ市場には、成長ポテンシャルを秘めた国々が点在しています。特に、EUという同じ経済圏に属しながらも、経済格差が大きく、成長スピードに差があるという特徴は、投資家にとって“情報の非対称性”を活かす好機です。
過小評価されている市場や企業をいち早く見つけることで、割安な価格で高い成長リターンを狙うことが可能になります。
「どこに投資するか」がリターンを左右する時代――その中で、ヨーロッパという地域はまさにブルーオーシャンといえるでしょう。
成熟国と新興国が混在するヨーロッパ市場の構造
ヨーロッパの最大の特徴は、「成熟国」と「新興国」が同じ市場圏に共存していることです。
たとえば、ドイツやフランス、オランダといった西ヨーロッパ諸国は、インフラや制度が整った安定成長型のマーケットとして知られています。一方で、東ヨーロッパのポーランド、ルーマニア、バルト三国などは、賃金水準や物価がまだ低く、成長余地の大きな国々です。
この東西・南北にまたがる経済格差の広さこそ、ヨーロッパ株投資の醍醐味です。
同じユーロ圏でありながらも、経済構造、人口動態、雇用情勢、政府の投資政策などが大きく異なるため、「どの国が今後伸びるか?」を見極める余地があります。
つまり、ヨーロッパは一枚岩の市場ではなく、“分散された成長機会の宝庫”とも言えるのです。
【関連記事】ヨーロッパ株の魅力と投資戦略
ヨーロッパ市場の基本構造や投資戦略については、こちらの記事で詳しく解説しています👇

【2025年版】欧州成長国ランキングTOP5
「ヨーロッパ=低成長」と思っていませんか?
実は今、経済格差を成長の源泉として力強く伸びる国々が、東欧・南欧を中心に続出しています。ここでは、筆者独自の分析に基づく「欧州成長国ランキングTOP5(2025年版)」を発表します。
ランキングの選定基準(GDP成長率・投資環境・産業構造など)
このランキングは、以下の3つの観点から総合的に評価したものです:
1. GDP成長率と安定性
過去3〜5年の実績値と、IMFなどの機関による将来予測に基づいて評価。
2. 投資環境の整備度
法人税率、外資規制の緩和状況、スタートアップ支援政策、EU資金の受け入れ実績などを考慮。
3. 経済構造の柔軟性と競争力
1つの産業に依存せず、複数の成長分野(IT・製造業・観光・エネルギーなど)を持つかどうか。
🏆 欧州成長国ランキングTOP5(2025年版)
順位 | 国名 | 注目ポイント |
---|---|---|
第1位 | ポーランド | EUの製造ハブ、若い労働力、ドイツとの経済連携 |
第2位 | ギリシャ | 財政再建後の復活、観光と不動産市場の活況 |
第3位 | ポルトガル | ITスタートアップ誘致、移住政策で注目 |
第4位 | ルーマニア | 高スキルIT人材、EU資金流入による都市再開発 |
第5位 | スウェーデン | サステナブル産業、安定した長期成長力 |
東欧・南欧に広がる成長ポテンシャル
上位にランクインした5カ国のうち、3カ国が東欧(ポーランド、ルーマニア)または南欧(ギリシャ、ポルトガル)です。これは、ヨーロッパにおける「地域間の経済格差」がそのまま成長余地に転化していることを意味します。
東欧の強み
- 若年人口比率が高く、賃金も安価
- EUからのインフラ投資が継続的に流入
- 西欧のサプライチェーン再構築で恩恵を受ける国が多い
南欧の強み
- 観光・不動産・デジタル移住といった多様な成長分野
- 財政再建・構造改革による経済の再活性化
- 外資誘致に積極的な政策環境が整いつつある
このように、「見過ごされてきた国」にこそ、今後の投資妙味があるんです!
成長国TOP5を徹底解説!格差を武器にする国々
第1位:ポーランド|EUの成長エンジン

欧州経済の“静かな主役”へ
ポーランドは、2025年現在、EUの中で最も力強い経済成長を続けている国のひとつです。2004年のEU加盟以降、インフラ整備、教育投資、外資誘致の三本柱で着実に経済力を拡大してきました。
特筆すべきは、リーマンショック時にも唯一マイナス成長を回避したEU加盟国であり、その回復力・柔軟性の高さは群を抜いています。
経済格差が“成長エネルギー”に
ポーランドは、西欧諸国に比べて賃金・不動産価格が低く、若年層の労働力が豊富です。この「格差」こそが、企業誘致や投資集積の原動力になっています。
今では「ヨーロッパの工場」とも呼ばれ、ドイツを中心とする製造業とのサプライチェーン連携が強化されています。
産業構造:製造業とITが両輪
- 製造業:自動車・機械・家電など、輸出主力産業が安定成長。欧州・アジア企業の進出も多数。
- IT産業:人件費と技術力のバランスが取れた開発拠点。クラクフやヴロツワフなどが注目都市に。
近年では、外資系スタートアップのオフショア開発拠点としての需要も高まっています。
投資環境の魅力
- 法人税率19%
- EU資金の活用が非常に上手い国
- 外資への法的障壁が少ない
- NATO/EUの戦略的支援対象国として安定性も高い
これにより、政治リスクの相対的低さ+高成長という、非常にバランスの取れた投資先となっています。
ポーランド株への投資方法
✅ ETF(分散型)
- 【EPOL】iShares MSCI Poland ETF:ポーランド全体にバランスよく投資可能
✅ 個別株(現地株)
- PKN Orlen(エネルギー)
- CD Projekt(ゲーム開発)
- Bank Pekao(金融)
✅ 投資の注意点
- 通貨(ズウォティ)への為替リスク
- 地政学的リスク(ウクライナ隣接)も中長期で注視
✅ ポーランド投資のまとめ
観点 | 内容 |
---|---|
成長性 | EU内トップクラスの安定成長 |
強み | 製造業とITの二軸/外資受け入れ環境の整備 |
弱み | 通貨・地政学リスクは引き続き注視 |
投資手段 | ETF(EPOL)、個別株(サクソバンク証券など) |
第2位:ギリシャ|危機を乗り越えた観光×再建国家

経済危機からの奇跡的回復
ギリシャといえば、2010年代前半に起きた国家債務危機のイメージが強いかもしれません。
しかし近年、同国は大胆な構造改革と財政健全化に取り組み、欧州の中でも見違えるほど投資環境が改善された国へと変貌を遂げています。
2023年には長期国債の格付けが「投資適格」に復帰。これは、ギリシャ経済が投資家から再び信頼されはじめた明確なサインです。
観光と不動産が経済成長の柱に
- 観光業:GDPの約20%を占める主力産業。コロナ禍からの回復も非常に早く、2024年は過去最高の観光収入を記録。
- 不動産投資:特に外国人による物件購入が活発で、アテネやテッサロニキなどの都市部は再開発が進行中。
観光と不動産の“ダブルドライバー”に加え、EU資金によるグリーンインフラ投資なども本格化しており、成長の裾野が広がっています。
政府の改革姿勢と外国人フレンドリーな制度
ギリシャ政府はこの数年、以下のような外国人投資家に優しい政策を打ち出しています:
- ✅ ゴールデンビザ制度(25万ユーロ以上の不動産投資で長期滞在許可)
- ✅ 法人税率の段階的引き下げ(現行22%)
- ✅ 観光・不動産・再生可能エネルギー分野への補助金制度
政治的にも安定しており、右派・中道政権が成長重視・親ビジネス路線を維持している点も、投資判断を後押しします。
ギリシャ株への投資方法
✅ ETF(分散投資)
- 【GREK】Global X MSCI Greece ETF
→ ギリシャの主要企業に分散投資可能。観光・金融・不動産セクターが中心。
✅ 個別株(要:現地証券 or サクソバンク証券)
- Mytilineos(エネルギー・インフラ)
- Alpha Bank(大手銀行)
- Aegean Airlines(航空)
✅ 投資ポイント
- ユーロ建て資産になるため、為替リスクの理解は必須
- ETFは少数銘柄で構成されており、ボラティリティが高め
✅ ギリシャ投資のまとめ
観点 | 内容 |
---|---|
成長性 | 経済危機からの回復と観光・不動産の成長で高評価 |
強み | 外国人フレンドリーな制度、観光収入の強さ |
弱み | 政策依存度が高く、景気後退期に弱い構造 |
投資手段 | GREK ETF、サクソバンク証券での個別株 |
第3位:ポルトガル|スタートアップと移住で急成長中

ヨーロッパの“静かなIT立国”へ
ポルトガルといえば、かつてはEU内でも経済が弱い国という印象がありました。しかし近年は、テクノロジー分野への注力と外国人移住者の増加によって、全く新しい経済モデルを築きつつあります。
特にリスボンやポルトといった都市部では、スタートアップやノマドワーカーが急増し、街そのものが変貌。ポルトガルは今、「ヨーロッパで最もデジタル化が進む中小国」として注目されています。
スタートアップ支援が国家戦略に
ポルトガル政府は、以下のような起業家支援・テック産業育成策を積極的に打ち出しています:
- ✅ Startup Portugalプログラム
- ✅ Web Summitの誘致(欧州最大級のテックカンファレンス)
- ✅ 法人税軽減や研究開発投資への補助金制度
これらの支援により、ポルトガル発のスタートアップ(例:Farfetch、Feedzaiなど)がグローバル市場で頭角を現しつつあります。
移住・不動産市場も活況
- 欧州随一の住みやすさ(治安、気候、医療の充実)
- 非居住者向け優遇税制(NHR制度)の人気
- ゴールデンビザ(不動産投資で滞在権付与)の導入
これらの制度により、EU内外からの移住者が急増し、特に都市部では不動産価格と賃貸需要が継続的に上昇しています。
「住む・働く・投資する」の三拍子が揃った国として、ポルトガルの人気は高まる一方です。
投資環境と成長分野
- 産業の多様性:IT、観光、再エネ、不動産のバランスが良い
- 政府のビジネスフレンドリーな姿勢:外資規制も緩やか
- EU資金の活用が積極的で、インフラも急速に整備中
中小国ながら、スマートで効率的な成長戦略が光る国です。
ポルトガル株への投資方法
✅ ETF(分散投資)
- 【PGAL】Global X MSCI Portugal ETF
→ ポルトガルの主要銘柄(銀行・電力・通信)が中心
✅ 個別株(要:現地証券 or サクソバンク証券)
- EDP Renováveis(再エネ)
- Jerónimo Martins(小売・流通)
- Galp Energia(エネルギー)
✅ 投資ポイント
- ポルトガルはEUの中でも市場規模が小さく、大型銘柄が限られるため、ETFと個別株の併用が有効。
- 為替はユーロ建て、NHR制度を利用した資産移転も検討余地あり。
✅ ポルトガル投資のまとめ
観点 | 内容 |
---|---|
成長性 | デジタル・移住・再エネの三軸で安定成長 |
強み | スタートアップ支援、外国人に開かれた制度、不動産需要 |
弱み | 株式市場の規模が小さく、銘柄分散がやや難しい |
投資手段 | PGAL ETF、個別株(サクソバンク証券など) |
第4位:ルーマニア|低賃金×高スキルの狙い目

東欧の“人材供給基地”として急浮上
ルーマニアは、かつては「安価な労働力を提供する国」として知られていましたが、近年では高度人材の育成とインフラの急成長によって、ハイテク人材の宝庫として注目されています。
IMFの予測によると、2025年以降もルーマニアは東欧の中で安定したGDP成長率を維持すると見込まれています。
IT・サービス産業が成長の原動力に
特に目立つのは、ITアウトソーシング、BPO、FinTechなどの分野での成長です。
- ITエンジニアの数がEU内で上位
- 米マイクロソフトやオラクルなどが現地にR&D拠点を開設
- 多言語対応力があり、欧州全域のサポート拠点として機能
ブカレストやクルジュ=ナポカなどの都市では、スタートアップハブ化が進んでおり、若手起業家やVCファンドの動きも活発になっています。
EU資金と外資導入で都市開発が加速
ルーマニアはEU加盟国として、インフラ・教育・環境整備のためのEU資金を大量に受け取っている国の一つです。
- ✅ 道路、鉄道、水道などの再整備が進行中
- ✅ スマートシティ構想も複数都市で開始
- ✅ 再生可能エネルギーや工業団地の整備にも注力
これに加え、近年では外資系工場の誘致や、国際企業の物流拠点設置も進んでおり、都市化のスピードが非常に速いのが特徴です。
投資環境と制度
- 法人税はフラットな16%で非常にシンプル
- EU内のルールに準拠しつつ、外資への法的障壁が少ない
- 銀行システムや証券インフラは安定しているが、規模はまだ小さい
中長期で見れば、今は“まだ発展途上”という理由だけで見過ごされている国。投資家にとっては、先行者利益を狙える“穴場”的存在です。
ルーマニア株への投資方法
✅ ETF(分散投資)
現時点でルーマニア単独ETFは存在しませんが、**東欧全体をカバーするETF(例:CEE・EMEA地域)**に一部組み込まれています。
✅ 個別株(要:現地証券 or サクソバンク証券)
- Banca Transilvania(商業銀行)
- Romgaz(天然ガス大手)
- Electrica(電力)
✅ 投資ポイント
- 通貨はルーマニア・レイ(RON)で、為替変動リスクあり
- 市場規模がまだ小さく、流動性がやや低め
✅ ルーマニア投資のまとめ
観点 | 内容 |
---|---|
成長性 | IT・インフラ投資がけん引、東欧内でトップクラスの成長率 |
強み | 高スキル人材・欧州対応の多言語力・外資導入の加速 |
弱み | 市場規模と流動性の低さ、為替リスクあり |
投資手段 | 個別株(サクソバンク証券など)、東欧ETF |
第5位:スウェーデン|サステナブル先進国の堅実成長

ESGとイノベーションを両立する北欧モデル
スウェーデンは、ヨーロッパでも数少ない「持続可能性」と「経済成長」を両立できている国です。環境、福祉、テクノロジー分野において国際的な評価が高く、ESG投資の文脈では常に注目の的となっています。
さらに、国内の教育・研究水準の高さや、イノベーションに積極的な産業政策により、世界的なユニコーン企業の輩出国としても知られています。
サステナビリティ分野で世界をリード
スウェーデンは政府レベルで明確なグリーン政策目標を掲げており、2030年までに脱炭素化・再生可能エネルギーシフトを強力に推進中。
- ✅ 総電力の約65%が再生可能エネルギー由来(2024年時点)
- ✅ カーボン税導入の先進国として企業側の対応も進んでいる
- ✅ グリーンテック・クリーン輸送・リサイクル産業が急成長
このような動きは、ESGスコアの高い企業を生み出す土壌となり、国際的な機関投資家からの資金流入も年々増加しています。
革新的な産業と国際競争力
スウェーデンには、世界で高く評価されるグローバル企業と先進スタートアップが多数存在します。
- Volvo(自動車、電動化へシフト)
- Ericsson(通信インフラ、5G関連)
- IKEA(グローバル小売、サステナブル戦略に注力)
- Spotify / Klarna(フィンテック・エンタメ分野のユニコーン企業)
このように、大企業とスタートアップが共存することで、安定性と成長性のバランスが非常に良い市場になっています。
投資環境とリスク
- 法人税は20.6%(OECD平均以下)
- 社会制度が整っており、政治的にも極めて安定
- ユーロ圏ではないため通貨はスウェーデンクローナ(SEK)
為替変動リスクはあるものの、国としての透明性・法制度の安定感が非常に高いため、長期保有型の投資先として適しています。
スウェーデン株への投資方法
✅ ETF(分散投資)
- 【EWD】iShares MSCI Sweden ETF
→ スウェーデンの代表的な大企業に広く分散投資可能。
✅ 個別株(要:海外証券口座 or サクソバンク証券)
- Volvo(自動車)
- H&M(アパレル)
- Evolution Gaming(オンラインゲーム)
✅ 投資ポイント
- 通貨リスク(SEK)はあるが、国債・株式ともに信頼性が高い
- ESG・サステナビリティ投資と非常に相性が良い国
✅ スウェーデン投資のまとめ
観点 | 内容 |
---|---|
成長性 | 安定成長+サステナブル分野で長期的に強い |
強み | ESG先進国・グローバル企業多数・政治的安定 |
弱み | 通貨リスク(非ユーロ圏)、人口成長は限定的 |
投資手段 | EWD ETF、サクソバンク証券で個別株、ESGファンド経由も有効 |
欧州株投資を始めるための実践ガイド
ヨーロッパの成長国に魅力を感じても、「どうやって投資すればいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。ここでは、日本から欧州株に投資するための方法と、おすすめの証券会社をご紹介します。
日本から欧州株に投資する方法(ETF・ADR・現地株)
欧州株に投資する方法は大きく分けて3つあります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、目的に応じて選びましょう。
✅ 1. ETF(上場投資信託)で分散投資
欧州各国の株式市場全体に投資したい場合は、ヨーロッパ株ETFがおすすめです。例えば、「VGK(Vanguard FTSE Europe ETF)」や「EZU(iShares Eurozone ETF)」などは、ドイツやフランスなど主要国を中心に幅広く分散投資できます。
- メリット:手軽で低コスト。為替リスクもある程度分散される。
- デメリット:個別企業のリターンを狙いにくい。
✅ 2. ADR(米国預託証券)で個別企業にアクセス
一部のヨーロッパ企業は、アメリカ市場にADR(American Depositary Receipt)という形で上場しています。たとえば、スイスのネスレ(NSRGY)やイギリスのユニリーバ(UL)など。
- メリット:円からドルに両替すれば、日本の証券会社でも比較的簡単に取引可能。
- デメリット:ADRは上場数が限られ、東欧や南欧企業にはアクセスしにくい。
✅ 3. 海外証券口座で直接「現地株」を買う
成長国の企業に直接投資したい場合は、現地市場にアクセスできる証券口座が必要です。これにより、ポーランドやポルトガル、ルーマニアなどの小型株にも直接投資できます。
- メリット:未発掘の優良銘柄を狙える可能性あり
- デメリット:口座開設や管理がやや煩雑、為替・税務の知識が必要
筆者おすすめ:サクソバンク証券で欧州株を買う理由
欧州株に本格的に投資したい方に私が最もおすすめするのは、サクソバンク証券です。

🔹 なぜサクソバンクなのか?
- ✅ ポーランド、スウェーデン、オランダなど20カ国以上の現地株に対応
- ✅ ユーロ建て・ポンド建てで直接取引可能
- ✅ 手数料が明確で低コスト(個別株:0.2〜0.3%前後)
- ✅ 日本語サポートがあり、初心者でも安心して使えるインターフェース
特に、ADRやETFではカバーできない「まだ注目されていない欧州成長株」に直接投資できる点が、他社と大きく違います。
また、ポルトガル移住者など、海外在住者にも対応している数少ない証券会社でもあるため、グローバルに資産運用したい方にぴったりです。
“経済格差”を味方につける投資戦略とは?
ヨーロッパにおける経済格差は、単なる「リスク」ではありません。視点を変えれば、情報の非対称性が生む投資チャンスになります。
ここでは、経済格差をうまく利用し、将来有望な国・地域を見極めるための戦略的アプローチをご紹介します。
成長余地を見抜くフレームワーク
成長国を見つけるには、「今の数値」ではなく「今後どう伸びるか」を見ることが重要です。
筆者が重視しているのは、以下の3ステップのフレームワークです:
✅ 1. 経済構造の転換点を捉える
たとえば、製造業中心だった国がIT・サービス産業にシフトしている場合、その国は高付加価値経済への転換期にあります。これは大きな成長サインです。(参考にするもの:産業別GDP構成比の変化、就業者数のセクター別推移、政府の中長期経済計画・政策発表、外国直接投資(FDI)の流入先、輸出構造の変化など)
✅ 2. 外資やEU資金の流入を確認する
インフラ整備や都市再開発にEU資金が投じられている地域は、公的支援に後押しされた成長トレンドが形成されている可能性があります。(参考にするもの:外国直接投資(FDI)統計、EU構造・投資基金(EU Structural and Investment Funds)、EUリカバリーファンド(Recovery and Resilience Facility, RRF)など)
(参考: World Investment Report (https://unctad.org/topic/investment/world-investment-report))
✅ 3. 企業数や起業支援の増加傾向を見る
起業家が増えている地域は、雇用創出や地域再生が進行中であり、中小企業の株価上昇につながる土壌となります。
このように、「静かに伸びている国」に気づける投資家だけが、本当の恩恵を得られるのです。
高格差エリアを選ぶ3つの視点(人口、政策、産業)
欧州の高格差エリアに投資する際、注目すべきは以下の3つの指標です:
🔹 1. 人口動態
- 人口が増えている国・都市は消費拡大・住宅需要増が見込めます。
例:ポーランドやルーマニアの都市部は、若年層の流入が続いており今後も内需拡大が期待されます。
🔹 2. 政策の方向性
- 外国人投資家への開放性や、スタートアップ支援政策の有無は重要。
例:ポルトガルやギリシャでは、移住政策やデジタル産業支援が進行中。
🔹 3. 産業の集中と多様性
- 1つの産業に偏らず、複数の成長分野を持つ国は外的ショックにも強く、長期保有に向いています。
例:スウェーデンはテック、ヘルスケア、再生エネルギーの3本柱を持つ安定成長国です。
これらの視点で国や地域を選べば、「格差=リスク」ではなく「格差=先回りできる機会」と捉えられるようになります。
まとめ:欧州株は“情報の非対称性”で差がつく
ヨーロッパ株への投資は、単なる地域分散ではありません。情報が少ないからこそ、先に気づいた者だけが得られる“差”があります。特に日本では、米国株や日本株に比べて欧州株の情報が圧倒的に少ないため、まさに“情報の非対称性”を活かせるチャンスと言えるのです。
知っている人だけが拾える投資チャンス
欧州には、メディアに大きく取り上げられない「地味だが確かな成長」を遂げている国々が存在します。
ポーランドの産業拠点化、ポルトガルのスタートアップ誘致、ギリシャの観光回復――これらはすべて、情報を集めて行動した投資家だけが享受できるリターンです。
市場に注目される前に動くには、「まだ注目されていない国」「現地情報に触れる意識」が欠かせません。まさに、“知っている人だけが儲かる”ステージなのです。
地味でも堅実な成長国にこそ注目を
ヨーロッパの中小国の多くは、爆発的な成長よりも「地道に伸び続ける堅実な経済」を築いています。
たとえば、ルーマニアやスウェーデンのように、安定したインフラ整備や人材育成に注力している国では、長期保有に向いた優良株が眠っています。
短期的な派手な値動きよりも、5年後、10年後に報われる成長トレンドに着目することが、欧州株投資で成功するための本質です。
🧩 総まとめ:経済格差は「避けるべきリスク」ではなく、「狙える成長差」
ヨーロッパに広がる経済格差は、確かにリスクにもなり得ます。しかしそれを読み解く視点さえあれば、投資の大きなチャンスに変えることができるのです。
本記事を通じて紹介してきたように、
✅ 成長国の見極め方
✅ 実際の投資手段(ETF・ADR・現地株)
✅ 狙い目の5カ国の具体例
を理解すれば、あなたも欧州株投資の第一歩を踏み出す準備が整います。
これからの時代、投資のリターンは「どこを見ていたか」で決まります。
今こそ、“ヨーロッパの成長国”という視点をポートフォリオに加えてみてはいかがでしょうか?
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